JCGL MovieIMI(198X年)
何も動かなかったのは、ファンクションキーが故障していたらしいことが分かった。ファンクションキーを交換してもらい、リンクエラーとなって不足しているソースコードも探してもらった。
再びコンパイルと編集を繰り返していると、初期画面に続いて、メニューも動いた。試しにワイヤーフレームのデータを読み込むと、ディスプレイに表示された。ダイヤルを回すと動いてしまった。びっくりした。
女性エンジニアは、動き出したMovieIMIを見て喜んだ。しかし、そこまでだった。アニメーションを表示しようとすると、そこで落ちてしまう。
それもそのはず、アニメーションには大量のデータを入れるメモリーが必要だが、当時はメモリーはかなり高かったので、IMI500はハードディスクに特殊な領域を作って、それをメモリ代わりに使うというfastdiskという裏ワザ機能がついていた。
新ハードにはそんな裏ワザない訳だから、動くはずもない。上司のH氏が無理やりfastdiskの部分を書き直して、巨大な配列を作ったところ、OSが壊れてしまって、再インストールになった。
その後いろいろ実験したりテストしたりしたが、あまり進展はなかった。女性エンジニアは、たぶん2~3週間で動く様になるのでは、と楽観的なことを言った。
500万円も払って、ソースのエラーを解析して、動く様に修正していく手間を考えれると、全く割りに合わないと思った。サポートも期待できないと思った。
後日知り合ったデジタル・プロダクションのアニメータも、IMIの無茶な要求にIMI500は捨てたと親指を下にして言っていた。