1980年からプログラマしています

どうしてプログラマすることになったか書いています。過去日記です。

JCGL PS330(198X年)

 PS330には、高級感のある黒くてメタリックなキーボード、ダイヤルボックスや、タブレットにデジタイザもついていた。

 PS330は、ファンクション・ネットワークという独特の言語で動いていた。

ファンクションとは、CGの計算をする各種機能を電子ブロックみたいに分割したもので、ファンクションとファンクションを配線して組み合わせることによって、ベクター・スキャン・ディスプレイにその結果が表示できるようになっていた。

 ファンクションを配線すると言っても、物理的な配線ではなく、ファンクションの入力と出力の番号をつなぐスクリプトを書くのである。データは、配線の中を動的に通って行くのである。 

 例えば、ダイヤルボックスの1個の出力番号を、ワイヤーフレームのデータのX軸の回転値入力の番号につなぐスクリプトを書いて、PS330RS232Cで送ると、直ちに内部でコンパイルされファンクションネットワークが作られる。

 ダイヤルを回転させれば、その回転値が連続的に送られて、オブジェクトがリアルタイムでX軸で回転する。普通のC言語だったら、ダイヤルボックスのデバイスをオープンして、ループを使って、取り出したデータをバッファに入れて、別のデバイスにそのバッファを書き込むというプログラムを書くけど、ファンクション・ネットワークには、バッファの入れたり出したりの操作はない。何とも未来的な仕組みだった。

 ファンクション・ネットワークで、アニメーションさせるには、フレーム数分(130フレーム)の配列のデータを作って、カウンターを配列データに配線してやる。配列の出力をオブジェクトの移動、回転、拡大・縮小に配線して、カウンターをスタートすると、配列のデータが順次切り替わって、画面上のワイヤーフレームがリアルタイムに動くのである。