JCGL 新しいオフィスへ(198X年)
新しいオフィスは、窓はハーフミラーのカッコ良いビルディングで、中庭もあった。
元ABELプロダクションのコン・ペダーソン氏(2001年宇宙の旅の特撮に参加)が、3台のエバンス&サザーランドのベクター・ディスプレイPS/2と一緒にやって来た。この古めかしいPS/2を使って、ABELのCGアニメーションが作られてきたのか、と思うと感慨深くなった。
後日、一度だけロバート・エイブル氏がTVCFのディレクタとして事務所に来たことがあったので、こっそり見に行ったこともあった。
E2Dは、新しいオフィスの隅っこを間借りすることになった。新しいリーダーがやって来た。MUMPS使いだった。MUMPSとは、聞いたことがない言語である。どうやら医療の情報処理のために作られた言語らしく、並列プログラミングができるという。
このリーダーは、ハゲで太っていて、いつもジョークを飛ばしていた。笑わないと、そこは笑うところだぞ!と逐一突っ込んできた。
「ポーランド人は、靴の紐を結ぶときには、こうする。」と言って、ソファに自分のスニーカーの右足を乗せてかがんで、ソファに乗せてない方の左側の靴紐を結んで見せた。「ポーランド人は要領が悪い。」
それって、MAGIから来たディレクターがポーランド人だから?
いつも毒のあるジョークを連発した。他にも神をからかうジョークが好きらしくて、日本人が笑うまで言うと意地になって話して来た。そもそもキリストのエピソードなんて知らないので笑えない。
リーダーがちょっとあれで仕方がないが、また一から新しいプログラミング言語を覚えた。