JCGL デバイスドライバの失敗(198X年)
上司のH氏は、最初から上手く行かなくても仕方がないと行ってくれた。次にフレームバッファのデバイスドライバをテストを見ていた。フレームバッファは、VAXのUNIBUSに接続されていて、指定したアドレスにデータを書き込めば、その通りに出力されるという(Mapped IOと言っていた)。それはちゃんと動いていた。凄い人だ。そもそも未知のNYITのシステムを理解して、デバイスドライバまで書いてしまうとは。この後も、H氏からビジネスも含めて多くのことを学ぶことになる。
それから、さらにデバイスドライバの情報を集めた。SUNワークステーションのマニュアルにドライバの書き方が載っていると聞けば、取り寄せてノートに訳を書いた。
ソースコードを見比べると、同じUNIXのデバイスドライバと言えど、書き方は全然違っていた。VAX11/750のデバイスドライバでさえも動かない。
再び制作部にお願いして、VAX11/780を半日止めてもらって、考えられる限り色々な組み合わせのデバイスドライバを作ってテストをやった。それでもやっぱり動かなかった。これには心底参った。
もう自分にはできない。できないので謝ろうと思ってH氏に相談しに行った。
話し出すと涙が出て来た。力不足が悔しくて仕方がなかった。H氏は、謝っても何も解決しない。引き続き問題解決方法を探すように言った。