JCGL オリジナルシステムへ(198X年)
JCGLオリジナル・レンダラーの開発も着々と進んでいた。技術部で何人か立候補した人の中からK氏が、ひたすらスキャンライン・レンダラーを書いていた。K氏のスキャンライン・レンダラーは、C/CPのレンダラーよりもさらに透明度がある美しい表現が可能になった。
K氏の話では、ポリゴンのオブジェクトどうしが交差するエッジでさえも(要するに突き抜けた様なオブジェクト)、きちんとアンチエリアスの計算をやっていると言っていた。
DOGA330も新しいレンダラーとのデータ・コンバータを書いて、実際に制作部の人達がテスト用のショートフィルムを作っていた。
この頃はフィルムレコーダから、デジタルビデオのD1レコーダでコマ撮りができるようになっていた。フレームバッファも、協力会社と共同で開発した日本製のフレームバッファになっていた。同じフレームバッファがPC9800シリーズにも接続でき、ImageMakerというCGシステムの販売も開始していた。
JCGLオリジナルシステムの完成は間近だった。K氏の新しいレンダラーはSUNワークステーションで稼働していて、それより廉価なSONY製のNEWSというワークステーションも導入されていった。自社で作ったソフトなので、自由に増強できる。これぞオリジナルのシステムの強みであった。
そしてついにC/CPのシステムともおさらばする日が来た。ついに悲願のJCGLのオリジナルシステムに全面移行したのである。