JCGL 3SPACE(198X年)
3SPACEは、磁力線を使ってペンで空間上の座標を入力する装置である。簡単に空間の座標が拾えるので、3SAPCEにRS232CでPC9801を接続して、デジタイズするプログラムを作った。
当時のモデリングは、図面を描いて、グラフ用紙から座標を数値で読み出していた。平面だったらデジタイザなどを使うこともあったが、立体のモデリングは大変だった。
3SPACEでのモデリングに取り掛かる前に、モデリングするオブジェクトを粘土で作って、粘土が乾いたら極細の黒いテープを格子状に張り付けておく。
そして、3SPACEのペンで格子の交点をポイントして、スイッチを押してデジタイスして、プログラムでポイントのデータからポリゴン結線リストを作り出すのである。
3SPACEは結構高かったので、買わないで必要な時にレンタルしていた。ある日、3SPACEを借りようと思って電話したら、機材の故障でレンタルできないと言われて困った。
そこで、3SPACEのユーザを紹介してもらえないかと頼んだ所、筑波大学のある農業の研究室を紹介してもらった。研究で野菜の大きさをデジタイズするのに使っているという。
早速電話をしてみたら、大学の先生は気難しい人で、説得に時間がかかった。できるだけ研究の邪魔をしないように、こちらから指定の時間に出かけて行って、速やかに撤収するのが条件だった。
会社の車で、制作部の人達とPC9801を積み込んで、筑波までドライブした。筑波で食事したら、どの店でも味噌汁がとても美味かった。さすが、味噌や納豆の名産地である。
しかし、3SPACEでデジタイスして見ると、いつも通り正確に格子の交点をポイントしているのに、座標がずれる。3SPACEのキャリブレーションが狂っているとしか思えない。先生!これで研究になっているんですか!?と思ったけど、口に出さなかった(笑)
K氏が急遽、スプラインで頂点をなめらかに補間するプログラムを作ってくれたお蔭で、何とかスケジュールに間に合った。