1980年からプログラマしています

どうしてプログラマすることになったか書いています。過去日記です。

プラス・ワン 拡大アンチエリアシング(199X年)

 あおりアンチエリアシング、いや拡大アンチエリアシングというべきか。通常サブピクセルレベルで行うアンチエリアシングを、グラフィック・エンジンで巨大画面をレンダリングして作り出す逆転の発想だった。拡大アンチエリアシングでは、横4倍、縦4倍の大きさの画像を縮小すると一番きれいに見えた。画面の横2倍、縦2倍の合計4枚程度でも、そこそこアンチエリアスの効いた画像になった。

 色々試した結果、横4倍、縦2倍、合計8枚がアニメーションには充分だった。ソフトウェアレンダラでも、1ピクセルより小さいサブピクセルレベルでアンチエリアスの計算を行う。この時、使われるフィルタは4X2だった。人間の目には垂直方向よりも水平方向の解像度が高いためである。

 この時にPA-RISCのパワーが役立った。画素平均には数秒しかかからなかったのだった。当時C言語のプログラムでポインタでかちがちで書いてあった。しかし、68040で同じ計算をさせたところ1分以上かかっていた。PA-RISCのお蔭で、実用的な計算時間に収まっていた。

 ついにZバッファのジャギーの問題も解決した!これは飛び上がるほど嬉しかった。

 ただ制作部にとっては、枚数が増えればそれだけレコーディングに時間がかかって、時間が押してしまうので、特にアンチエリアスが気になるシーンでのみ使われていた。そこがちょっと残念であった。さらに、拡大アンチエリアシングを使えば、解像度も自在に大きくできるので、10000ドットを越えるアンチエリアシングのかかった画像も作れた。これは、CGアニメーションだけでなく、チラシやポスターに使えるので仕事の幅が広だった。