JCGL IMI500(198X年)
カラーフィルムレコーダーのデバイスドライバの問題も解決して、ほっとしたのも束の間、別の問題が発生した。
突然、IMI社からJCGLに手紙が来た。「IMI500のマザーボードは、当社のエンジニア退職によってメンテナンスできなくなりました。引き続きメンテナンスを希望されるのなら、500万円で新しいマザーボードに交換して下さい。なお、今までのソフトウェアとは互換性はありません。ご了承ください。」
アニメーションは、IMI500(UNIX-Vの専用機)上で動くMovieIMIというアニメーション・ソフトで作っていた、
現在主流のモニターは、スキャンライン上を電子ビームがくまなく移動して一画面を描画するラスタースキャン・ディスプレイであるが、IMI500は、ベクタースキャン・ディスプレイで、電子ビームが一筆書きの要領で、図形を描画する仕組みである。つまり、オシロスコープの画面と同じ原理である。
IMI500は、ワイヤーフレームではあるが、リアルタイムでアニメーションを表示できた。当時2000万円位した。
JCGLには、もう一台ベクタースキャン・ディスプレイがあった。フライトシミュレータの名門エバンス&サザーランドのPS330である。これは2500万円した。PS330は買ったもののソフトがなく、デモ程度にしか使われていなかった。
IMI社に500万円も払っても、互換性がないので、MovieIMIは動かなくなるという、そんな無茶な話はない。
上司のH氏は「MovieIMIを新しいマザーボードで動かせるようにするか、PS330でアニメーションソフトを書くか、どっちかを選べ」と言った。
参考 デジタルプロダクションで使われているIMI500 Wikiwandより