JCGL E2Dのチーム(198X年)
通訳の女性は、私が車の免許を持っていないと言ったので、当面アパートに送り迎えに来ると言った。
2人組のエンジニアは、プロデューサとマネージャ役で、元ABELプロダクションのスタッフから、SEとプログラマを雇った。通訳で来ている女性もエンジニアなので、プログラマとして参加するという。他、制作側のアドバイザーとしてMAGI(マジャイ、伝説的なCGプロダクション)でディレクターをしていた人も加わった。
自分を入れて総勢7人の開発チームとなった。こうして矢継ぎ早にプロジェクトはスタートした。
事務所は、ハリウッドの近くのあまり綺麗でないビルの一室を一時的的に借りることになった。しかし、カリフォルニアは車がないとどこにも行けない。通訳の女性に車で仕事場に送り迎えしてもらっても、スーパーに行くことすらできないのは不便であった。一応バスはあるが、どこまで行くかさっぱり分からないし、低所得者層が乗るので危険だと言われた。
そこで、自転車を売っているスーパーまで車で連れて行ったもらって、マウンテンバイクを買った。普通の鎖なら直ぐに壊されて自転車が盗まれると言うので、U字型のごっつい鍵も買った。
そこからアパートまで走って帰った。お蔭で、スーパーまで買い物に行けるようになった。ハリウッドの事務所まで自転車で通勤もできる。しかし、水道の水は飲めないとのことなので、スーパーで1ガロン(3.8リットル)のミネラルウォーターを買わねばならず、自転車で運ぶのは大変だった。