1980年からプログラマしています

どうしてプログラマすることになったか書いています。過去日記です。

プラス・ワン 建築家 高松伸(198X年)

 次の仕事は、高松伸氏の建築物に決まった。安藤忠雄氏がコンクリート打ちっぱなしの建築家なら、高松伸は金属の建築家だった。とにかく金属部品が多い。今は取り壊されて無くなってしまったが、映画「ブラックレイン」にも使われたキリンプラザを設計した建築家である。

 高松伸氏は、東京に地下三階で、地表はトップライトだけという、もう考えられないような奇妙な建築物、EARTHTECURE SUB-Iを設計した。クライアントは東京の不動産会社で、その完成イメージのCGアニメーションを作って欲しいと言う。いかにもCGぽい建築だったが、まだレンダリングで光とかメタルの表現ができなかった。

 HPStarbaseには、フォン・シェーディング(近似)があった。SGIIrisGLのグーロ・シェーディングのハイライトとは比較にならない綺麗さだった。特にハイライトと形状が一致するにシリンダー(ポリゴンが細長い)は、綺麗なハイライトが出て充分メタルに見えた。今回の金属部品の表現には充分役立った。

 照明などのオブジェクトは、シェーディングしないで、白色とかで塗りつぶして、その周りに光って見える様に光源を置くことにした。

 Starbase16灯の光源(平行・点・スポット)が使えた。Zバッファのレンダリングはポリゴン単位であるので、極端な話、1ポリゴンを描画する毎に、光源を全部入れ替えても何の問題ない。Zバッファは奥行きしか問題にしない。

 光源を随所に多数配置できるようにしたので、今までより質感を向上させることが可能になった。ソフトウェアでレンダリングする方法に比べてどうしても質感は劣るが、長尺を作るので、レンダリング時間を考えれば、まあまあ妥当な質感であった。

 

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参考 完成後のEARTHTECURE SUB-I