プラス・ワン EARTHTECURE SUB-I(198X年)
EARTHTECURE SUB-IのCGアニメーションが完成した。しかし、クライアントに見せると、評判は今ひとつだったようだ。
澤井さんの作品は、入口から階段を降りて行きながら、上を見たり下を見たりするアニメーションだったが、そもそも地下なので窓とかないし、金属だらけのデザインで上下が分かりにくく、どこを見ているかはっきりしなかった。これは、澤井さんのせいだけでない。高松伸氏のデザインがそうだったのだ。
突然、澤井さんは「やってみいへん?」と振ってきた。そこで絵コンテを描いて、自分なりのイメージを澤井さんに伝えた。その絵コンテを元に、澤井さんがアニメーションをつけた。
私の絵コンテでは、地下の3階の断面が全部見えているシーンから始まり、絶対入れない地中の最下層からに入って、各階を上がって行くという、へそ曲がりなアニメーションだった。
そして入口から出て、EARTHTECTURE SUB-Iから車が走り去って行くような視点のアニメーションになり、最後はロゴにクロスフェードする。
ビデオ編集室で編集している時に、我ながらカッコいい!と思ってしまった。それが、意外にもクライアントに受けてしまった。
しかし、何を思ったか澤井さんは、EARTHTECURE SUB-Iの新たな絵コンテを描いた。それだけではなかった。まで完成していないEARTHTECTURE-SUB-Iの中を建築家、高松伸氏に歩いてもらうと言い出した。