1980年からプログラマしています

どうしてプログラマすることになったか書いています。過去日記です。

プラス・ワン あおり写真(199X年)

 ある日、澤井さんに、あおりが出来ないかと聞かれた。建築物などの巨大なもの全景を写真に収めようとすると、半分位が地面になってしまう。

 あおり写真は、地面をトリミングして建築物だけの写真にする手法である。それを一歩進めて、蛇腹型のあおりカメラという特殊なカメラがあった。蛇腹型のカメラは、その昔、集合写真を撮るときに良く使われたやつである。今はもう見なくなった。

 あおりカメラは、カメラのレンズから入ってきた光を、蛇腹を動かしてフィルム位置をずらして、写真を撮るという特殊なカメラだった。現像した写真をトリミングする方法に比べて、フィルムの解像度を目いっぱい使うことができるので、画質は良くなる。

 CGでは視点は自由に選べるので、巨大なビルなどを一画面に収めるのは、そう見える位置にカメラを配置すれば良いので、何も問題がなかった。

 しかし、完成前、完成後のCGをあおり写真と合成する必要があるというので、どうしてもあおり写真と同じ画面を作り出す必要があった。

 あおり写真と同じCGを作るには、レンダリングした画像をトリミングすればいいのだが、グラフィック・エンジンでレンダリングした画像(1280X1024ピクセル)は、そもそも印刷に比べて低い解像度なので、トリミングすればさらに解像度が落ちてしまう。

 そこで、あおりカメラと同様に、視軸をずらしてやれば出来るのでは、と思いついた。

 

参考 あおり写真 Wikipediaより