JCGL システム切替前夜(198X年)
NYITとのライセンスが切れると、システムが一切使えなくなる。ハードそのものは買い取りだったので引き続き使えるらしかったが、ソフトウェア、つまりオペレーティングシステムや、フレームバッファなどの特別なハードのドライバの開発が必要であった。オペレーティングシステムは、UNIX 4.2BSDのクリーン・インストール、フレーム・バッファのドライバは上司のH氏が担当することになった。
問題はカラー・フィルムレコーダであった。フィルム・レコーディングが出来なくなっては困る。このドライバを書くというミッションが自分に出された。
もちろん、UNIXのデバイスドライバなんて書いたことがない。先日C言語を覚えたばっかりである。とりあえず、手元にある資料(全部英語)を、片っ端から訳してノートにまとめていった。
カラーフィルムレコーダは「VAX11/780のUNIBUSにDR11というインターフェイスで接続され、DMAでデータを転送する。」ということは分かったが、ドライバについては何をどう書けば良いのか全く分からなかった。
JCGL会社案内より Dicomet製カラー・フィルムレコーダ